ありのままに

母は息子を信じた(その四)

親に対して ものすごい気苦労を強い
心配をかけている中
わたしは
教会で ホーム生活をするようになった

入教して最初は 大通りで 伝道活動をした
パンフを持って 神さまを知ってほしくて 見ず知らずの人たちに声をかけた
一人の女性が 教会まで来てくれたことがある
その女性(病院の看護師)とは その後 いろいろお世話になることになった

あるとき ワンワールドクルセイド(国際統一十字軍)が来て
教会に寝泊まりして伝道活動をし始めた
フォリナーメンバー用に あちこちのポットにホットコーヒーが準備されていた
それがとても ありがたかった 気ままに飲めるのだ
それから珈琲が好きになった
教会では 当然洗濯も物干しも 共用だ
フォリナーメンバーが宿泊している間
わたしの下着が度々行方不明になった
たぶん 誰かが間違って持って行ったんだと思う
そんなことは 日常茶飯事
靴すら行方不明になる
それでわたしは 時々 衣服や靴がない夢を未だに 見る

その後 高麗人参茶の訪問販売をすることになった
一軒目に飛び込むのに 三時間かかった
そしてようやく決断して よそ様の家の門を叩いた
そこからわたしの内的限界への挑戦
霊的成長への旅が始まった

それから いろんなことをした
カンパ活動 マスコット販売 珍味販売
マイクロ隊での遠征伝道と販売 などだ

そんなことをしながら
父の誕生日には手紙とともに プレゼントを送っていた

後に 母から聞いた・・ 父は
そんな息子からのプレゼントが あまりにも勿体なくて 使わず
タンスにしまっていたんよ と

ある日 用事で実家に帰ったとき
玄関で父は 元気にしてたか? と笑いながら私をみつめた
そして
玄関に置いてあるわたしの靴をひっくり返した
靴の底には 穴が空いていた
それはわたしも知らない その時初めて気がついた
その靴を見ながら 父はこらえきれずに 嗚咽した

わたしは靴に穴が空いていることすら 無頓着で
穴の空いた靴を見て父母が涙するという気遣いもなく
そんな性格だった

***

現在の心理学や遺伝学の研究によると、
個人の性格形成は、
①先天的要因(遺伝)約40〜60%、
②後天的環境要因(家庭・教育等)」約30〜50%、
③後天的努力要因(自己形成・意識的変化)約10〜20%
で 決まる言われています
ということは、一般に、個人の性格は本人の努力や責任を超えて、
既に70%~100%が決まっていることになります

しかしながら、信仰を持って生活する人たちには
この一般論が必ずしも適応されません
というのは、信仰を持っている人たちは、先天的性格と後天的環境を越えて、
自分の限界や弱点を乗り越えて、変わろうとするからです
この現象を宗教的には「新生(生まれ変わる)」とか「カルマからの解放」とかいうのかもしれませんが、それを成すためには、
個人の100%の努力が必要なのです
(▲ファミリーカウンセリング講座より)

***

無骨で 空気を読めない堅物青年
そんなわたしが
教会活動で
自己の限界に挑戦していく中
少しずつ内面が変わっていくことになる

少しは周りを気遣うようになった?
親に対する感謝の思いが深まった?

そんな変化を
親も感じ取っていた

○○は変わってしまった 狂った
これは献身するときに言われた言葉
それが良い意味での 変わった
になった
○○は良い方に変わった と父は言った

この言葉は 大変有り難かった
父は父なりに わたしを少しでも理解しようと
そして少しでも良いところを見つけようと
必死だったのだと 想う

…つづく