今年の夏は異様に暑い。
昨年からタワマンの清掃をしているが、
清掃する立場から見てもその異様さがわかる。
虫の発生度が違う。特に、蜘蛛が異様に巣を作るのだ。
あれ、ここ先日、綺麗に蜘蛛の巣を取ったのに、また巣を作っている~という感じ。
しかも自身の身体の体感からも、今年の暑さには耐えられない感じなのだ。
私は清掃の仕事を副業で20年以上続けてきた。
今も短い時間だが清掃の仕事を続けている。
先日、そんな暑さの中、
モップをもみ洗いしているところ、
ひとりのマンションの住人が、無言で、白いレジ袋を差し出してきた。
うん?何?
と思ったが、ぐいと私の目の前に突き出す。小さい声で「どうぞ」と言う。
それで受け取った。
中身を見ると、キンキンに冷えた缶コーヒーが2本入っている。
1本はカフェラテ、もう1本はプラック。
わたしは、頭を下げて、感謝の言葉を述べた。
ありがとうございます!
その方、そのまま、こちらを振り向かず、行ってしまわれた。
その方、
母に似ていた。
私の母は7年前に亡くなった。
看取られることなく、亡くなった。
怒り狂ったり、暴言を吐いたりしたことが私の前では一度も無い、無口な母だった。
一度だけ、大手術の後の見舞いに、母の娘(私の妹)が来たときに、腕を大きく上げ下げして、無言で感情を爆発させて、それを見た妹は、切なくて泣いていたが、そんな母を見たのは、その一回切りだった。
そんな母が、
その方、静かにコーヒーを差し入れしてくれた方、を通して、
私に元気をくれたのだと思っている。
私はコーヒーが好きなのだ。
母は霊界で生きて、見守っていてくれているのだ。
本当に、感謝だ。
お母さん、ありがとう!!
そんなことが今年の最も暑い夏にあった。