10月5日
今日は母の誕生日である
生きていれば95歳
9年前に名前のとおり
静かに息を引き取った
母は気丈だった
大酒飲みの父に寄り添ってきた
父の飯場にも出かけた
54歳の時には その父も亡くなり
近くに住む息子(次男)家族に世話になりながら
一人暮らしとなった
そして80歳になってからは
胸椎圧迫骨折、歯肉ガン、白内障、股関節…
数々の大きな手術にも耐えた
私と弟とは
小さい頃よく悪さをした
とても看過できない悪さをしても
叱られたことは憶えているが
激しくぶったり激しく叱られたという記憶は一切ない
そんな優しかった母に そして父に
私は21歳の時
とてつもない悲しみをもたらすことになる
***
私は 出家した
大学3年の時だ
あの当時は成績表を 自由に学務課で閲覧できた
成績は上位だった記憶がある
なのに 出家をした
それは
原理(Devine Principle)と出会ったからだった
大学2年のとき 高野悦子さんの日記「二十歳の原点」を読んだ
衝撃を受け そのときから 人生とは何?
なんでこの女性は自殺したの?
といろいろ考え始めた
聖書も買って読んでみた
しかし創世記を読み始めて 蛇がしゃべったりおとぎ話みたいで
数頁で読むのをやめた
そんな時 大学の構内を歩いていたら ある青年に呼び止められた
米国に留学して勉強できるセミナーの紹介があるので聞いてみませんか
ということだった
何の疑問も持たなかった いいんじゃない~と
そのセミナー会場(大学構内)に 青年と一緒について行った
会場入口の横付近に
ヘルメットを被ったメンバー(あとで分かった、中核派)が多数座り込んでいた
そして 行かない方がいいよ~ という声が聞こえた
えっ 何?と思ったが
そのままセミナー会場に入った
セミナーは確かに米国留学の紹介であったが
私には行くのは無理だなと思った
会場から出たら 私に話しかけた青年が
次の話も聞いてみませんか? とても参考になりますよ
と言うので これまた素直について行った
大学の門を出たすぐ側の建物の一室に案内され すぐに講義があった
今思い返せば
原理講論の「総序」である
その講義を聞いて へーえ、すごい話だね と感心し興味を持った
それがきっかけで
出家(献身)することになるのだが…
実は
献身を決意するまで
一年ブランクがある
「総序」は原理講論の序論に過ぎなかったし
それだけでは 献身なんて大それたことはしない
私は日々の生活をつなぐためにバイトもあったし
勉強も楽しかった
だから 「総序」を聞いて いい話ね
で 終わっていた
原理講論には
創造原理 堕落論 終末論 予定論 キリスト論 復帰原理 など
緻密な内容がある
それを学ばない限り 献身までいかない
学ぶ機会は 地区修(三日修) ブロック修(七日修)だ
あのセミナーに案内した青年は
一年間 時々私の下宿を訪ねてきていた
そして 夏休み
大学3年の後半期に入る前に 学ぶことになった
三日修に参加し その後 七日修にも参加した
七日修は 山奥の蛍が飛び交う廃校で行われた
緻密に学んで
これだ!と思った
神さまの存在と人生の目的を知ったのだ
7日修のたき火の前で 献身を宣言した
そして 出家することを話しに
実家に帰った
9月12日だった
…つづく