黄斑上膜除去の為の硝子体手術
手術前の瞳を開くNMD点眼液
手術当時の朝8時から30分ごとに点眼を始めた
手術予定時間は11時
だから手術前に6回点眼することになる
医師は手術前に
「1回だけミドリンPの散瞳薬を使わせて下さい」と言っていた
私はミドリンPで アレルギー反応を起こしたのだ
「1回だけ」 と言うので 私は了承した
当日は 身体も清め
早々に手術着に着替えて 心構えをした
しかし11時近くになっても
手術室に呼ばれない
このときには手術する方の眼に 充血が始まり
目やにが出始め ゴロゴロ感を自覚し始めた
それで11時に散瞳薬を点眼していいかどうか
念のため 看護師のところに行き判断を求めた
看護師はすぐに女医を呼んだ
女医は病棟の診察室に来る医師で
いつも入ったばかりの若い学生を伴っていた
その女医が来た 診察室で診察をしてもらった
その女医から帰ってきた答えは 杓子定規の答え
「手術にはどうしても大きく瞳を開く必要があります」
「散瞳薬は続けて点眼して下さい」
それでも訴えた
「このままだと眼圧が上がり 頭痛と微熱が出てくるのですが」
それでも女医さんは 同じ答えを繰り返すだけ
そして病室のベッドに戻って
私は散瞳薬を点眼した
するとすぐに あの女医さんが飛んできた
「点眼は中止して下さい!」と 後の祭りだ
そして代わりに抗生剤を点眼するように指示が来て
11時30分過ぎに抗生剤が届いた
それを12時に点眼した
以後30分ごとに抗生剤の点眼指示
うーむ なんじゃい!?
散瞳薬によるアレルギー反応は激しさを増してくるだろうし
手術の呼び出しもいつなのか 皆目見当もつかない
そして 思った
手術はやめるべきだな と
そして朝から着替えていた手術着を
入院着に着替え直した
ちょうど昼食時間
そんなことを考えて昼食を摂っているところに
急に 看護師がカーテンを少し開いて顔を見せた
「連絡が入りました 手術は12時30分からになります」
「ご準備下さい」と言う
私は昼食も食べかけにして
そそくさと 手術着に着替えた
着替えている間に 看護師が昼食のトレーを
配膳カートの棚に戻してくれた
やさしい心の落ち着く看護師さんだった
そして私は 事前にベッドの横まで準備されていた車椅子に乗り
手術室に向かったのだ
アレルギー反応がある中での強行突破手術である
私はそう思って 腹を固めた
やさしい看護師は 手術室まで私を乗せた車椅子を押して行った
手術室の扉が開いた その向こうにもう一つ扉があった
その先が 実際の手術室だった
実際の手術室の扉が開き 緑色の服を着た助手が出てきた
私を乗せて車椅子を押してきた看護師がその助手に言った
「アレルギー反応が出て瞼が…」
助手は言った 「○○医師はそれも承知の上とのことです」
私だけでなく 手術する医師も 腹を固めていたのだ
その言葉を聞いて 私は少し安心した
しかし 初めての手術
心臓は ドキドキ ドキドキ だったのだ
そして私は その助手によって
車椅子ごと 手術室へと運ばれた
後方の手術室の扉が閉まった
いよいよ 手術だ