光が当たれば影ができる
プラスがあるところにはマイナスが存在する
影もマイナスも神の創造である
喜びや平和が初めからあって その中だけに生き続けていたとして
それはそれで善いことだが
そのありがたさは
マイナスの悲しみや不幸を知ってこそ
しみじみと感じられることにもなるのである
プラスのものをプラスと認識するためには
それに相対するマイナスもなければならないのだ
マイナスが暴走すると殺人も起き戦争も起こる その可能性はある
しかし神は そんなことは起きないと絶対的に信じた
なぜなら
神は このプラスの力をかなり強烈なものにした
プラスとマイナスとでは プラスの力が強い
運動を起こすのは大抵 プラスの方からである
人は 発展的で積極的なことを 好み 望む
本来 プラス指向である
自分が考えたことや想像したことは実現可能と思う
そして迷わず 夢の実現に向けて動き出す
人はそこに喜びを感じ 生きがいを感じる
そうした状態のときには マイナス的なことを意識することはない
建設的で実現を達成することを可能にする 楽しみに溢れ
自虐的なことを考える暇は ない
進展する明日を迎えることの楽しみで いっばいだ
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このプラスがあるがゆえに
マイナスがあっても 心配する必要がなかった
神が創造した人間は 本来
目の前には希望が溢れ
ワクワクしながら
毎日を暮らすようになっていたのである
それが神の世界観である
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そこに別の世界観を持ち込んできた存在が現れた
それが 天使長であったルシファーである
(つづく)
※古川健治氏著「天啓 創世記物語Ⅰ カインとアベル篇」より引用