「好きの搾取です」 「愛情の搾取に断固反対します」 これは ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』 (TBS系) で森山みくり(役・新垣結衣)が 津崎平匡(役・星野源) に言った言葉である そして「契約結婚」がスタートする 住み込みで雇用契約を結び 周囲には 本当の夫婦のように振る舞う 当初は雇用主と従業員の関係 でうまくいくように見えたが 二人の間で お互いに 恋愛感情が芽生えていくのだ これは 夫が外で働き 妻が専業主婦になる という「昭和の結婚」とは 似て非なる関係である 私たちのような頭の固い年配層では 理解しがたいが 以下 今どきの恋愛と結婚について 一所懸命に 考察する ・・・ ◇結婚観に関する今と昔◇ ◆今やロマンチックラブは終焉した 恋愛と結婚と性生活が三位一体で 愛するから結婚するし 結婚するから性体験をする これがロマンチックラブであり 私たちはそういう世情の中で 青春時代を過ごした しかし現代では このようなロマンチックラブは終焉し 愛と性生活は別 愛するから結婚する わけではないらしい 結婚相手と愛する恋人が違うなど グチャグチャになっている状況に あるように思える かつて恋愛結婚が華やかなりし頃は 「運命の人」と「永遠に」 (オンリーユーフォエバー) という言葉が聞かれたものである 誰もが心の中に 特に女性は 運命の人と永遠に~ という恋愛結婚願望が あったように思う それは 一人を想う一途な愛であった 永遠の愛 変わらない愛 ずーっと一人を愛していきたい 恋愛というのは もっともっと真面目に 一人を追い求めるような愛だと 考えられてきた しかし現代では 一途な愛 一人の人を追い求める愛というものが とても重い と言われるようになってきた お互い そういう一途な愛 あなただけを愛するって重くないか~ みたいな話の中で お互い責任を持たない軽いつきあい がいい あなただけを永遠に愛しますよ~ ではなくて もうお互いしばりあうのは やめましょう みたいな考え方 これをある作家は 現代の結婚は 「女性のショッピング」と同じだと言った 試着しまくって買わない これもいいかな~あれも似合うかな~と 試着しまくって 最終的には買わない 今の恋愛結婚に対する考え方が このような女性のショッピングと 似ているという話だ いろんな人と取っ替え引っ替え 恋愛するけれども 一人に決めると後で 後悔するかもしれないし 一人に決めきれない 買わずに試着を楽しむような感覚で 恋愛結婚においても ゴール(結婚)を先送りにして プロセス(結婚するまでの)を楽しむ ・・・ こういう考え方になる背景は何か 結婚生活に対する現実を 考えるからであろうと思う 恋愛時に抱いた 結婚生活に対する理想 好きな人と一緒にいられる 結婚したら絶対 ずーっとハッピーでいられる と思ったものが いざ結婚するとなると それが幻想で 愛が冷め 自由が失われ 責任が重くなる こういった事にぶつかる 恋愛は夢物語なんだ 結婚となった途端に このような現実が待っているのだ と考える そして賢い若者は 恋愛 その夢物語 をいかに引き延ばすか 夢から覚めないように 現実の結婚を先送りして 恋愛を引き延ばす それが智恵 とばかり思うようになったのではないか これが晩婚化 非婚化の背景の一つ にあるとも思われるのだ 恋愛は花だけれど 結婚は現実だ という考え方 結婚に対する理想が崩れているのだ ◆多様化した結婚の形 それってアリ? 『授かり婚』(でき婚) 妊娠をきっかけに結婚をする 「おめでた婚」ともいう これアリ?→70%弱が肯定的 なかなか結婚に踏み切ろう としないので むしろ子供ができた方が 結婚に踏み切れる から みたいな 『通い婚』(週末婚) 結婚したら一緒に生活 しなきゃいけないわけないでしょ という話の中で 結婚後も別々に暮らして 例えば週末だけ会う友だちのような スタイルの結婚 月末だけに会うスタイルは 月末婚というそうだ 結婚したからと言って別々に 住んでもいいんじゃないの 生活スタイルはそれぞれ変えずに ただ戸籍上結婚しましたという だけ みたいな 『お試し婚』(同棲婚) お試し感覚で同棲してから結婚を 考えたらいいんじゃないの これアリ?→男性77%女性64% 入籍しないまま 正式に結婚手続きをとらないまま ずーっと結婚生活を お試し婚がそのまま続いて 同棲をし続けていたら それは「事実婚」 といわれる 実際には結婚スタイルを 取っているけれども 届け出はしていない 住民票は一緒に入れられるとか メリット デメリットいろいろ 論議されている そうしているうちに 結婚って何なんだろうという 感覚になってくるに違いないのだ 『産むだけ婚』 夫はいらないけれど子供だけほしい えっ これ結婚なんだろうか~ もはや 結婚とは何だろう 結婚ということが分からない そんな状況が現出しているのだ ◆若者たちは恋愛しなくなった 結婚に対する願望が失われ 結婚に対する見方が ネガティブになってしまった と同時に 恋愛ということに対しても 恋愛を多くの人たちが経験する中で 恋愛もさまざまな現実にぶちあたる ということに気づいてきたのだ それによって 恋愛しない若者たちが出現 し始めたのだ なぜ恋愛しないの? その理由は 「めんどうくさい」から 恋愛ってめんどうくさいですよね お金もかかるしコスパも悪いし 他に楽しいこともたくさんあるし インターネットで他に楽しい時間を 過ごせるし~ という しかし 実際の本音はもっともっと深いのだ それは 「傷つきたくないから」 なのだ 恋愛して傷ついたり裏切られたりする 期待通りにうまくいかなかったりする 恋愛が重い 傷つきたくない お互いが恋愛をするようになったら 要求もうまれるし 不満もうまれるし 傷つき合うこともある 傷つきたくないから恋愛をしない それで 複数の相手と 「軽いつきあい」を繰り返す あるいは もはや 生身の人間は疲れる~~とばかり アニメやゲームのキャラに 恋愛の相手を求める 異次元の世界に相手を求めたりする 今や 結婚のみならず 恋愛すら 負担だと感じられている今の現状が おわかりいただけるだろうか ◆多様化していく恋愛 それってアリ? 『バーチャル恋愛』(ネット恋愛) バーチャルの世界で疑似恋愛を楽しむ ネット内だけでの恋人付き合いをする ネット内だけでお互いの事を語り合い ネット上で付き合う 中では自分のキャラクターを変えて ネットの中では男性が女性になったり 女性が男性になったりして 疑似恋愛を楽しむ これは既婚者でも楽しんでいるらしい 『二次元彼氏/彼女』 アニメやゲームの中に相手を求める 本気で二次元の彼氏彼女に恋をする これアル~→20代男子24%女子22% 二次元は裏切らない 生身の人間は疲れる~ 二次元 だったら自分に合わせてくれる という ??果たしてこれは恋愛なの?? 『レンタル彼氏/彼女』 彼氏彼女をレンタルする 時間限定で恋人役を演じてくれて 食事や映画カラオケなどを一緒に 楽しんでくれる これも疑似恋愛 そのときだけ お互いを名前で呼び合い 恋愛気分だけを味わうのだ 傷つかずに 自分が否定されることもなく 恋愛気分だけを味わえるのだ 『セフレ/ソフレ』 恋愛状況を超えて性生活においても わけがわからない状況になっている それが (セフレ)セックスフレンド 恋人以外で性関係を結ぶ相手 (ソフレ)添い寝フレンド 添い寝してもらうだけの相手 かつては 結婚するから性生活をした その後は 愛があれば性生活はしていい それが今では 性関係と恋愛すら切り離されている 別に恋人ではない この人 恋人ですか? いえ恋人ではありません ただのセックスフレンドです みたいな 何が恋愛で 何が恋人で という事がわからなくなってきた もはや 恋愛とは何か 愛って何か ということが 分からなくなってきているのだ この現状を おわかりいただけるだろうか 年配諸氏の皆様 私たちが歩む人生の中で 子供たちの世代で いろんな価値観が渦巻いているのだ ◇もう一度シンプルに考えよう◇ だから もう一度シンプルに考えよう ◆「愛」って何? 愛とは「与えること」 「誰かのために生きること」 そこには 与えることだから 「力」「時間」「思い」の投入がある そして 疲れることがある 疲弊することもある 投入や犠牲を伴う 責任や痛みを避けて通ることはできない しかし 生きる喜びも 誰かを愛するところにあり 為に生きるところにあり 投入するところにあるのだ 男が力を発揮するのは 愛する対象 守るべきものを持った時である ひ弱な男性でも 守るべきものをもったときには 強い力を発揮するのだ 女性が美しく輝くのは 鏡の前に立って「私ってきれい?」 とやっているときに輝くのではない 誰かのために生きて 誰かを愛して生きて 誰かを支えて生きて そういう時に 女性は女性としての 本当に美しい姿を発揮するのだ 愛とは「為に生きること」である そして 投入を通して育まれるものなのである 本当の愛とは 相手の為に投入することが愛であって それをもって「愛している」と言えるのだ ◆「結婚」って何? 結婚とは「誰かを愛して生きること」 「二人で共に生きること」 当然 二人で共に生きたら 楽しいことばかりではない 喜びだけではない 「苦労」も「痛み」も 共有するのだ 結婚は大変な重労働だ 女性としても子育て それは犠牲の伴うことであって 男性にとっても仕事と家庭を 両方とも成立させていく (最近では男性だけではなくなったが) そういう様々な苦労を伴うのが 家庭であり結婚生活なのだ そこに 人生の充実感 誰かと共に生きる喜び 為に生きる喜び 生きている喜びを感じられる それが 誰かと共に生きる生き方であり 誰かを愛する生き方なのである 「結婚」とは 「為に生きる生き方」であり 「共に生きる人生を選択すること」 である 人は誰かと出会い 誰かを愛して 誰かと共に生きるために生まれた ひとは何も持たずに生まれ 何も持たずに土に帰る ひとの生まれた100年たらずの人生は 何の為? それは誰かと出会って 誰かを愛して 誰かと共に生きる それが人生の意味であり価値である と思うのだ 「人生」は「為に生きること」 「誰かを愛して生きること」 に意義があると思うのだ ・・・ 誰かさんが言っていた 「30歳で結婚して80歳まで生きて 丸50年間もたった一人のひとを 生涯のパートナーとする? 若い頃はいろんな人と付き合ったり 別れたりしていたのに ある日突然 自由恋愛を放棄し 一人のパートナーと独占契約する? そんなのムリ~~ 人生のパートナーをたった一人に 絞る必要なんてない 時々ファジーに入れ替えればいいのだ 極論すれば 結婚は 楽しい人生を邪魔する障害でしかない」 よく考えてほしい この人の言っていることは正しいか 自分の人生は 自分で決める それはもっともだけど 正しい選択をしてほしい リベラルな考え方は斬新で魅力的だが もっと「愛」について 考えてほしいのだ ・・・ 平匡「話し合ったり 無理な時は 時間をおいたり だましだましでも やっていけないでしょうか」 ドラマ「逃げ恥」が教えてくれたのは 「逃げてもいい」「だましだましでもいい」 ということ。 そして 「逃げることは恥ずかしくないが 大事な人を見失っちゃいけない」 ということ・・ みくり「うまくいかないとき 待っていてくれる人 信じてくれる人 見失っちゃいけない」 貴方にとって大切なもの 失ってはいけません